スタッフコラム
ヘリンボーンのジャケットを着たような鉄筋コンクリートの建物
こんにちは、八木工務店の西村です。
私が、現場監督をしております、竣工間近の建物について、ちょっと話します。
画像は外観だけですが、近々に内部の写真も載せたいと思います。
建物は鉄筋コンクリート造の3階建ての商業ビルで用途はお花を教えるスクールになります。
建築地が大田区の閑静な住宅街なので、コンクリート打ち放しの外壁がむき出しでは、廻りの
環境から見てもちょっと浮いた感じの建物になってしまうこともあります。
デザイナーさんは、コンクリートの持つ冷たさを優しい表情に変えたいと考え、そこでデザイン
されたのがコンクリートの壁面に、”はつり”を入れて建物の表情を変えることでした。
画像クリックで拡大します。
【”はつり”とは、コンクリートの壁に”たがね”を当てハンマーで叩いてコンクリートを
削り取る作業のことを言います。今は、専用の工作機械がありますので機械で加工が出来ます。】
【”たがね”は金属やコンクリートを削り取ったりする時に使用する鋼鉄製のノミのようなもの。】
この”はつり”のデザインは杉綾織りをモチーフに杉の葉のようなV字形の模様を連続させて
仕上げます。
イギリスの地方でツィードを使って織られる模様にヘリンボーン(杉綾)と呼ばれる織物があります
仕上がったコンクリートの壁面は、まさしく杉綾織りのヘリンボーン柄のデザインです。
あの、冷たい表情のコンクリート壁が一変して優しさと温かみのある表情に変わっています。
離れて見ると、建物がまるで、ツィードのヘリンボーンジャケットを着ているよう感じで街並みにも
すっかり溶け込んで以前から建っていたような雰囲気があります。
それに、道行く人の振り返る姿を見ると何かほっとしたような気分になります。
8/4・八木工務店/西村