施工進捗日記
横浜・上大岡キリスト教会の新築工事がスタートしました。
2015/01/09
こんにちは、八木の小原です。
本日の建築リポートは、KES工法で建てる木造3階建ての教会建築の棟上げの
様子をお届けしたいと思います。
KES構法ってどんな構造体なの?
KES構法の構造体のすべての鍵はこのスチールコネクターに有ります。
普通の軸組工法は土台、柱、梁を繋ぐ、継手、仕口の断面加工は一般的にはプレカット工場でされています。こだわりのある工務店さんでは大工さんがノミを使って手刻みによる加工がなされています。木造軸組工法の家は、土台に柱が乗り、柱に梁が差し込まれ四方形のグリッドが出来上がります。この四角のグリッドが連続されて家の構造体が出来ます。
家の構造は柱で決まる。もちろん梁もその他の材料も重要になりますが、何と言っても、柱が重要なんです。一本の柱に3方向から、設計によっては、4方向から構造梁を受けるのは柱です。数十年前の日本の家の柱は15cm(150mm)の太さが一般的に使われていました。
ケヤキやヒノキの大黒柱は何処の家にも1~2本は使われていました。広いリビングに太い柱がドンとあると、何か気持ちがホットして安らぎを感じます。今ではめったに見られませんね。
今日では、家の柱は12cm有ればいい方です。なにも知らなければ10.5cmの柱で建てています。これらの柱に3方向、4方向の受け口が彫られたらどんな形状になると思いますか、実際に見ておくのも勉強になります。柱の断面欠損は家の耐震性や耐久性、改築などに微妙に影響します。
KES構法はこれらのすべてをコネクターに置き換えて構築されます。実際の建築現場をご覧になれば一番良くわかると思います。興味のある方はご連絡頂ければ、いつでもご案内致します。内部の構造は後の画像を見てください。
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このコネクターは柱に対して4方向から構造梁が掛かる設計プランに使用されます。このコネクターは柱の真上から差し込まれ,2階、3階の柱は、このコネクターが受けます。梁に掛かる荷重は、柱の真上に掛かる事で柱の負担を軽減させます。KES構法は、一般の軸組工法などに使用されている、通し柱は使用しません。2階、3階の柱は全て、このコネクターの柱受けに挿入され、ドリフトピンが打ち込まれます。KES構法の最大の特徴である、このコネクターは、日本、アメリカ、カナダ、で特許証を取得しており、コネクター工法のパイオニアであるKES構法の大断面構造を構築する重要な構造金物です。(画像は140mm柱サイズのスチールコネクターです。)
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これらのコネクターは120mm(12cm)角の構造柱用に開発されたものです。
サイズは、180mm、240mm、270mm、300mmの種類があります。KES構法の優位性がさらに拡大され、家づくりがますます楽しくなって欲しいです。
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柱の所に銀色をした金物が見えると思います、これがKES構法のオリジナルスチールコネクターです。左側の画像は柱脚専用のスチールコネクターで、コネクターは4本のアンカーボルトによって基礎に直結されます。柱はこのコネクターのスリット部に挿入され、2本のドリフトピンが打ち込まれて、柱がコンクリート基礎に直結されています。 (柱の横に打ち込まれたピンの頭がみえます。)
普通の軸組工法とは。
柱は土台に乗ります。その土台は基礎からのアンカーボルトによって固定されます。柱の要所、要所に取り付けられる、ホールダウン金物(見た事がありますか?)地震の時に柱が引き抜けないようにコンクリートの基礎と柱を直結する金物ですが、あくまでも補強の金物になります。
画像は、コンクリートの基礎に埋め込まれたホールダウン金物が土台を貫通して柱に取り付けられている様子です。 斜めに取り付けられているのは筋交いです。
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KES構法のスチールコネクターと普通の軸組工法で使われている補強金物の強度実験データがありますので比較してみます。この強度実験は、財団法人日本住宅木材技術センターにおいての実験データです。
◆普通の軸組工法に使用されているホールダウン金物の引き抜き強度は、2,5トンで
柱と梁の補強金物の羽子板ボルトの引き抜き強度は1,35トンです。
2枚の画像は一般的な軸組み工法で構造梁に補強金物の羽子板ボルトが取り付けられています。左側の梁の一部に割れが入っているのが見えます。画像クリックで拡大します。
互いの構造梁が組まれていますが、このままですと地震の激しい揺れや台風圧が掛かった時に構造が耐えられないので、このような金物で補強します。
◆KES構法のコネクター引き抜き強度は、10トンの引き抜き強度 を持っています。しかも余力を持った実験結果が得られています。
◆普通の軸組工法に使われているホールダウン金物の引き抜き強度は、2,5トンです。KES構法のコネ クターは、実に4倍の引き抜き強度を持っています。
◆つぎに羽子板ボルトの引き抜き強度1,35トンに対して、KES構法のコネクターは、7,4倍の引き抜き強度を持っています。
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この画像は柱に対して2方向から構造梁が繋がれています。画像を見ても、お分かり頂けると思います。KES構法のコネクターによって柱と梁が強固に緊結されています。一般の軸組工法では、この柱と梁の耐震強度を補強するために、補助的な羽子板ボルトが取付けられます。KES構法のコネクターは構造用金物として国の認定を取得しています。一般の補助金物とは大きく異なります。柱の太さは、14cm角(140mm)で国産の唐松集成材を使用、梁の幅(厚み)は、140mmあります。梁背(高さ)は、450mmです。材質は柱と同じく、国産の唐松集成材を使用。
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この画像は梁と梁をKES構法のコネクターで緊結されています。梁下には柱はなく、大断面の梁が強固に繋がれて、大きな空間が構成されています。画像を見て、お分かり頂けると思いますが、梁の幅(厚さ)が140mmあります。太いように見えませんか、この厚みと梁の高さで強度が格段に違ってきます。材質は国産の唐松集成財材を使用 。
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一般的な軸組工法は、継手、仕口を補助的な金物で補強します。KES構法は木造建築の最も重要な部分で、構造の要と言われている、継ぎ手、仕口、に強固なコネクター(接合金物)を、使用することによって、構造の強度と精度が飛躍的に向上し、安全な構造を実現します。一般的な軸組工法では、不可能であった道路運送上、可能な最大の長さ11mのスパン(開口部分)や30坪(60畳)の大空間構造が出来ます。KES構法は設計デザイン、間取りの希望と夢を構造の制約により失望に変えることは100%ありません。
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この画像は、2階のフロアーから天井を見上げて、屋根裏の構造を見ています。一般的な軸組工法や2x4工法ではとても考えられなかった大空間構造がこのように容易に実現できます。KES構法のすべての鍵はこのスチールコネクターにあります。
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KES構法に関する詳しい資料をご希望の方にお送りしています。
私たちが取り組んでいる頑丈な構造、強固な耐震性、そして大空間を確保することのできるKES構法の家づくりをもっと詳しく知って頂くための資料をご用意しています。
『将来予測される大災害に備えた強い家を作りたい』とお考えの方は、サイトのメニューにある「お問い合わせはこちらから」のフォームをご活用下さい。
お問い合わせ頂いた個人情報は厳重に取り扱いいたします。訪問や電話営業はしないことをお約束させて頂きます。
◆こちらからの画像は上大岡キリスト教会のKES構法の上棟の様子です。画像クリックで拡大します。じっくりとご覧になって下さい。
以下の画像は、構造柱がコネクターによって基礎に直結された様子です。この柱脚スチールコネクターは、10トンの引き抜き強度性能があります。【一般的な軸組み工法のホールダウン金物の強度は、2,5トンですから、KES構法は4倍の強度があります。】
◆ここからは、2階の組み上げ工事に入ります。
構造の柱建てが終了すると、柱に梁が構築されていきます。
画像クリックで拡大します。じっくりとご覧になって下さい。
◆これから組み上げられる様々な2階の構造梁です。
この一番大きな梁りで、梁背が820mm、長さが8,190mmあります。大開口部に使用される巨大な木造梁りです。画像の3段~4段目にあります。クレーンでつり上げている様子でも大きさがよく分ります。
◆以下の画像は、構造梁りをクレーンで吊り上げ、柱に取り付けら
れたコネクターに落とし込みます。
◆以下の画像は、構造の柱に取り付けられたスチールコネクターに
構造の梁が落とし込まれている様子です。梁がキッチリとコネクター
に落とし込まれるとドリフトピンが打ち込まれます。これでKES構法
の堅牢な構造体が構築されます。
次回の建築リポートは、木工事の進歩状況と屋根工事など、外部工事をお届けしたいと思います。
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