スタッフコラム
どんな間取りをお考えですか。
09/07/21
みなさん、こんにちは、設計の鹿島です。
毎日暑い日が続いてますが、お身体の調子は如何ですか。
熱中症にはくれぐれも注意なさって下さい。
久しぶりのコメントです。
今日のコメントは、家の間取りに付いての話をします。
家づくりをご検討なさっている方にちょっとでも参考になればと思ってます。
マイホームをご検討中のみなさん、家づくりは順調に進んでいますか。
間取りの設計の方は如何ですか。気に入った間取りが出来そうですか。
ところで、こんな間取りの設計どう思いますか。
以前に建築したお客様が検討していた家の間取り図です。
玄関に入ると、ホールと廊下があって、廊下と各部屋などはすべて、
きっちりと、ドアで隔てられています。
階段は、廊下にあるので、直ぐに、二階に上がれます。
二階に上がると一階と同じように廊下に面した各部屋がドアで隔てられています。
何か、ホテルや旅館の間取りに似てると思いませんか。
帰宅して家族の誰とも顔を合わさずに自分の部屋に直行できる家。
プライバシー重視の考えならこんな間取りが快適かもしれませんね。
みなさんは、こんな間取りを見て、どう感じましたか。
今、間取りを書かれている方のプランと比べて如何ですか。
もしかして、同じような考えのプランを書かれている方も中には、
おられるかと思います。
この家の間取りは、ホール、廊下の存在がすごく大きいと思います。
家の中に入っても各部屋は廊下で隔たれていますので、
家の中での移行は、すべて廊下が基点になっています。
ここで、家の中にある廊下に付いて考えてみました。
1)廊下がないと絶対にダメなのか。
2)廊下がないと何か弊害が起きるのか。
3)廊下がないと、間取りが出来ないのか。
4)廊下って一体なんなのか。
5)廊下がないと貧弱な家になるのか。
次のプランは廊下のない間取りの設計プランです。
先程のホール、廊下のある間取り図と見比べてください。
同じ設計要望書でも、設計をする人の設計思想が異なると、
出来上がった間取りは、このように大きく変わります。
設計の要望は、以下の内容で、述床面積は、なるべく29坪以内で間取りを
考えてみました。
・一階は、リビングと、ダイニング、キッチンそれと和室が欲しい、水廻りは洗面、トイレ、浴室、二階に行く階段など、
・二階は、夫婦の寝室と子ども部屋が二つ、水廻りはトイレのみです。
出来上がったプランは廊下を排除した、「ふれあい広がり間取りの家」の設計プランです。
「ふれあい広がり間取りの家」の設計コンセプトは風通し、採光、湿
気の排除、室温の均一化などの間取りを重視しております。
それと、家族が一番集まる家族空間のリビングには,必ず吹き抜けがあります。
吹き抜けは、お飾りや見栄ではありません。家族空間に吹き抜けをとる目的は、
一階と二階の生活空間を一体的に広がりを連続させることが大きな目的です。
しかも、一階、二階の空気の流れを良くすることで、湿気の淀みをなくす効果も
大きいです。
室内の建具はドアよりも引き戸を多用しております。
日本の住生活にはドアよりも引き戸の方が相性が良いと思います。
チマチマと部屋を細かく区切った日本の家はドアよりも引き戸の方が何かと
便利なことが多いのと安全にも良いと思います。
これらを満たすことを考えると「廊下」の存在は大きな問題になります。
・日本の家は、南側に居室を配置し、水廻りを北側にもっていく間取
りが圧倒的に多いですね。
・風通しとは、家の中を風が吹き抜けることですから入り口があって
も出口がなければ風はなかなか通リ抜けることが出来ません。
・この空間を廊下で区切ってしまうと、南北の風通しだけでなく、日
照をも遮断してしまいますので湿気でジメジメとした、カビ臭い空間になってしまい不
衛生で不健康な家になってしまう恐れが多々あります。
・室温の面から言っても暖房をしている部屋と外気に面した廊下では
20℃もの温度差が生じたりします。
・高齢者が倒れるケースはこのような家が一番多く発生しています。
・間取りが南から北まで、広々と連続されていれば北側の悪条件がな
くなり陽当たりもよくしかも風通しが良くなりカビの発生を抑制することが出来ます。
「ふれあい広がり間取りの設計」は風通しの良さ、採光の良さ、室
温の均一化などを最優先に考えた設計手法であり、家族が日々ふれあって暮らして行く
ことを一番に考えると、家の間取りは大変重要になるかと思います。
これから家づくりをご検討なされる方で間取りや家づくりに付いて何か分からないで、
困ったことやお知りになりたいことがありましたら、何時でもお問い合わせ下さい。
尚、お問い合わせはサイトメニューの「お問い合わせはこちら」のフ
ォームでメールでお願いいたします。ご返事のメールは2~3日くらいかかることをご
了承下さい。 09’/07/21・八木/鹿島