スタッフコラム

築37年の家を取り壊します。

こんにちは、 小原です。
%E5%B0%8F%E5%8E%9F%E3%81%AE%E4%BC%BC%E9%A1%94%E7%B5%B5.JPG
みなさん、お元気にお過ごしですか。
5月もあと一週間で終わります。時間の過ぎるのは本当に早いですね。
一年の折り返し地点にもう来てしまったんですね。6月と言えば梅雨の季節です。
毎年のことですけど、お出かけする時は雨対策を心掛けて下さい。
また、この時期は食べ物が傷みやすいので食中毒にも充分注意して下さい
5月の20日から築37年の家の解体工事が始まりました。

%E9%87%8C%E6%9D%91%E8%A7%A3%E4%BD%93%20002.jpg

解体される家は37年住まわれた木造軸組工法の家です。


まだ37年しか経ってない家の建替えを決断された理由は
このままの状態で家族が安心して暮らすことにすごく不安を
感じ,ちょっとした地震や毎年やってくる台風の季節はこの家は
大丈夫なのか、いつも心配で安心して暮らして行くのに限界を
感じていたので建替えを思い切ったそうです。
それと家がカビ臭く結露もすごいので、気持ち良く暮らして行くには
あまりにも問題が山積された家なので建替えを思いきって決断されたようです。
それと住宅ローンを借り入れる年齢も最良の時期だったのと家族全員が
健康であったのも大きかったようです。             
建設地が道路より2mくらいの高台に位置しているのと、周辺環境が
閑静な住宅街なので、解体時に発生するほこりや細かなチリなどの
舞い上がりと一番、迷惑をかけてしまう機械から出る騒音です。
解体工事はいつも近隣にご迷惑を掛けてしまいます。
そんなことを配慮すると機械を使っての解体を止めてすべて手作業で
取り壊しを行なうことにしました。
手作業での取り壊しは、ほこりやチリの舞い上がりと騒音を抑える
事が出来ます。それに建物を囲む養生ネットもシート張りにして
解体工事を行なうことにしました。
取り壊しの手順は屋根を剥いで屋根の骨組みから解体を進めて行きます。
屋根が取り壊されると、アルミサッシや建物の中の壁、天井のボードを剥いで
断熱材などを取り除きます。柱や梁の構造に打ち付けられたボードや細かい
補足材などもすべて取り除き、梁や柱を外して行きます。
築37年の家の仕様は鉄板葺きの屋根で、屋根防水はアスファルトフェルトが
張られていました。鉄板を剥がしてみるとフェルトはボロボロの状態です。
屋根裏や2階の天井に雨が侵入した形跡がかなりありました。お施主さんの
話では、大雨の時や台風が来た時は大分雨漏りがしたようです。長いこと我慢
して暮らしていたと思います。
外壁の仕上げはモルタル塗りのリシン吹きつけで当時はどこもこんな家でした。
外壁の下地は杉板張りにアスファルトフェルトの防水紙が張られています。
この年代の木造の家はほとんどがこのような仕様で建てられていたと思います。
余談になりますが!
実は、私の家も築20年になりますが、まったくこの家と同じ仕様です。
当時はお金に余裕もなかったので、こんな仕様で家を建ててしまった事を今になって
すごく悔やんでいます。夏は蒸し風呂のような状態で、冬は冷蔵庫に入ってるようで
凍える寒さです。まさしく獣宅です。人間の住む住宅にはほど遠いものがあります。
私もあと数十年は生きたいと思ってますが、果たしてこの家は私の寿命くらい大丈夫
なのか不安だらけです。耐震補強だけでも早くしたいと思ってます。
壁、天井を剥いでみたら、家中がカビだらけでした。
写真を撮りましたので、これらの画像をご覧になって下さい。
これから家を建てようとお考えの方は参考になさってください。
家の結露の恐ろしさを少しでも知って下さい。
数千万円もかけて建てた家がたった37年でまた建替えするなんて、
本当にもったいない事です。
私は、お施主さまから話を聞いてましたので、屋根裏や壁の中がどんな状態なのか
現場に行って確認したいと思っていました。想像していた通り、壁と天井を剥いだら
中はカビだらけで、柱や梁がドス黒い色に変色しています。
断熱材のグラスウールも壁の中で結露が起ってたようでカビで真っ黒の状態です。

%E9%87%8C%E6%9D%91%E8%A7%A3%E4%BD%93%20003.jpg%E9%87%8C%E6%9D%91%E8%A7%A3%E4%BD%93%20004.jpg

左の画像
壁のプラスターボード(石膏ボード)、天井のプラスターボード(石膏ボード)を剥がした状態です。
柱や梁が結露によるカビで黒ずんでいます。天井裏に入れられたグラスウールの断熱材もカビで
真っ黒です。しかもカビの臭いが充満しています。
右の画像
この画像の位置はキッチンがあった所です。四角く開いている所は換気扇フードの穴です。
こちらも、壁の中はカビだらけでした。正面に見える板は杉板で外壁の下地として張られて
います。板の裏に黒く見えるのがアスファルトフェルトの防水紙です。
昔は合板がなかったので、杉の無垢材を使っていました。
%E9%87%8C%E6%9D%91%E8%A7%A3%E4%BD%93%20021.jpg%E9%87%8C%E6%9D%91%E8%A7%A3%E4%BD%93%20014.jpg

左の画像
一階の天井を見上げた画像です。二階のフローリングが直かに張られていました。昔は床下地に
捨張り板などは張らないで、直かに床材を張っているのが多かったようです。
フローリングの裏にカビが発生しています。天井に斜めに取り付けられている木は火打ち梁です。
一様ボルトを使っていました。当時の建物はこのように補強金物は一切使っていません。すべて、
クギを使って建てられていました。
右の画像
縦に3本見える物は水道管とお湯の管でした。北側に面してるので、グラスウールを使って断熱を
したと思います。こちらもカビが発生しておりました。