ふれあい広がり間取りの設計
一日中いても飽きない楽しい家。
このふれあい広がり間取りの設計は、私たちの家づくりのこだわりの一つです。
私たちは、壁をたくさん使って部屋を細かく区切った家が嫌いなんです。
昔の家は、部屋を細かく区切らず に広々とした部屋が繋がっていました。
決して、閉鎖的な間取りの家はつくりませんでした。
“家のつくりようは夏をもって旨とすべし”と吉田兼好は「徒然草」の中で
こう著しています。
日本の気候風土は高温多湿で、特に夏の暑さは半端でなくうだるよう蒸し暑さです。
冷暖房の無い昔の家づくりは、夏の暑さを凌ぐために、南面の窓と北面の窓を開けて風の通り道をつくって、心地よい自然の風を取り込み夏の暑さを凌いでいました。
外に向かって大きく開かれた間取りと、風の通り道を考えた間取りは、自然の風が
家の中を吹き抜けていくことができます。それに湿気や空気のよどみを無くしてくれます。
それに比べて現代の家づくりはどうでしょうか?
吉田兼好が著した、{家のつくりようは夏をもって旨とすべし}の教えを持って、家づくりを
考えている人、家を設計する人、家を建てる人,どれ程の人がいるでしょうか?
毎週、土曜の朝刊に入ってくる,建売住宅のチラシに載っているプランを見るたびに
「どうして、こんなプランで家をつくるのか?」どこのチラシもみな同じで、思わず
悲しくなってしまいます。
30坪の家って、どの位の広さか想像つきますか?
畳の枚数で言うと60枚、なんと60畳もあるんですよ!すごく広いと思いませんか?
この60畳の大きな空間も、細かく区切った間取りにすると、結局は狭い家になってしまいます。
部屋を細かくすると、その部屋に行くために廊下が必要になります。
廊下を中心にそれぞれの部屋がみな繋がっています。まるで小部屋の集積回路のようです。
しかも、家の形は箱のようになってしまいます。
風通しの良い家を、つくりたいと思っても、家の中がそのような間取りになっていなければ、
風はどうやって吹き抜けていくのでしょうか?
入口があっても出口がなければ風は通り抜けられません。
私たちのプランニングは家族の絆とふれあいを深める「ふれあい広がり間取りの設計」
で間取りを提案しています。
「ふれあい広がり間取りの設計」 8つのポイント
(1)玄関は独立させる。
玄関は家族空間への入口です、靴を履いたり、脱いたりする所です。間違っても
ホールや廊下や階段の起点ではありません。
(2)玄関は家族空間に直結します。
玄関が家族空間の入口なので、お客様を直接、家族空間に暖かくお迎えするという
ことが一番よいはずです。玄関と家族空間の仕切りは引き戸にする。
(3)家族空間は、一体的に広くつくる。
リビング、ダイニング、茶の間、畳の間、書斎、などみんなが集まる家族空間は、
広がりのある空間として一体的に、豊かにつくるべきです。なぜなら、ここが
一番、家族のふれあう空間だからです。
(4)階段は一、二階の生活空間を結ぶ通路である。
間違っても階段は玄関のある空間につくらないでください。
階段は家族の集まる、家族空間につくってください。
(5)吹き抜けは家族空間につくること。
間違っても、吹き抜けは玄関につくらないで下さい。
見てくれだけの広がりに過ぎず無意味です
吹き抜けは、家族の集まる家族空間につくってください。
家族空間に吹き抜けをつくる目的は、一、二階の生活空間を一体的
に広がりを連続させることが主眼にあるからです。しかも、
一、二階の家族のふれあいをつくることができます。
(6)子供部屋は可変型の空間につくる。
子供達はあっという間に大きくなります。
子供達が家を出た後は空き部屋か納戸になる、従って、家具などの移動によって、
間仕切りが対処できるようにする。子供の生活は子供部屋という個室に限定され
るものではない。まだ小さい時は、家中に展開するのが一般的です。
二階ホールに家族のみんなで共用するファミリールームをつくってください。
吹き抜けに面しているといいですね。子供の遊び場に、勉強のスペース
に、お父さんの書斎にも、お母さんの趣味のスペースにもなり、
家族のみんながふれあう,共用の場として活用ができます。
(7)お年寄りのスペースは家族空間に結ぶ。
三世代共用住宅になります。お年寄りは家族空間に近く、暖かいふれあいを、
一番に考えて下さい。
(8)引き戸を多用する。
生活空間に広がりがでます。引き戸を多用して、部屋を区画しておくのが最良です。
完全に連続性を求めるなら、壁の中に、引き戸を引き込んでしまえば、より広く
使える。引き戸は全部開けても良い、引き戸は生活空間、に連続性と一体感を
簡単につくることが出来る優れものなのです。
家の間取りは家族のふれあいと、家族の暮らし方に大きな影響を与える大事な
要素です。無駄な廊下はつくらない、空間を細かく区切らない、家族空間に吹き抜けを
とって、広々と暮らす、間取りは、時が経って、家族構成の変化に柔軟に対応できる
頑丈な大空間構造で考えるべきです。将来を見据えた賢い家づくりを考えて下さい。